書類審査で気を付けるべきこと
基本的にオーディションには書類審査があります。書類審査でまず押さえておきたいのは、 募集要項です。
オーディションと一口に言っても、ナレーションを募集しているのか、洋画の吹き替えを募集しているのか…募集条件はさまざまです。 そこで
- なんのオーディションなのか
- 主催者が何を求めているか
これをしっかり考え、自分なりに理解しておくことは必須です。
「当たり前のことだよ~」と思われるかもしれませんが、オーディションを多数受けていると、このような事前準備がおざなりになりがちです。どんなにいい人材だとしても、募集要項とズレていたら採用は見送られます。
そして応募動機には、
- なぜこの仕事がしたいのか
- 受かったらどんなふうに活躍したいか
- そのためにどのような努力ができるか
- (オーディション)主催者側にどんなメリットがあるか
これを明確に記載しておきましょう。①②までは皆さん書かれると思いますが、③④まで踏み込むことで、審査側に具体的なイメージを持ってもらえます。
最後に自己PRです。基本ですが、自分の長所を述べましょう。アピールポイントは人それぞれ。実績が少なくとも、十二分な実力が備わっていなくても、アピールポイントと求められる人材がマッチしていれば、書類を通過する可能性があります。それには自分だけの「良さ」が何なのか、知っておく必要がありますよね。
それを知るには、親しい人や先生に「私の良いところってなんだと思う?」と聞いてみるのも一つの手です。自分では思いもよらなかったことが他人から見るとアピールポイントだったりします。使わない手はありません。
対面審査で気を付けるべきこと
書類を通過したらいよいよ対面審査。オーディションらしくなりますね。対面審査の項目には原稿読み・質疑応答・早口言葉などありますが、特に自己PRは人と差がつけられる大事な部分。緊張しますが、これも事前準備をすることでクリアしましょう。
自己PRの時間は1分だったり3分だったり、オーディションによってまちまちですが、とにかく短時間で自分には何ができるかをアピールしなくてはなりません。 最も大事なのは、書類審査と同様に、募集要項に合ったアピールをすること。事務所のオーディションであれば、それぞれの事務所の傾向に合わせたアピールが必要になってきます。ラジオの仕事が多い事務所のオーディションで「ダンスが得意です!」と言っても興味を引いてもらえる確率は少ないでしょう。闇雲に自分の特技を披露するのではなく、事務所の傾向を把握して、興味を持ってもらえるであろうパフォーマンスを用意することがポイントです。
また趣味や特技などがあれば、それをパフォーマンスに絡めてみるものいいですね。例えばナレーション系の仕事が多い事務所のオーディションを受けるとします。あなたが美味しいものを食べに行くのが趣味なら、「聞いた人が思わず生唾を飲み込むような、食レポを披露します」というのも面白いですよね。自分にできることで、審査員の印象に残るのはどんな自己PRなのか?試行錯誤してみてください。
ちなみに書類選考で書いたような応募動機などを長々喋るのは時間のムダとなってしまうのでNGです。対面審査は書面では伝えられないことをアピールする場だと覚えておきましょう。
事務所が欲しがる人材とは?
それはスバリ、稼げる人材です。容姿がよく、声がいい人がオーディションに受かるのは、人気が出やすく稼げるからです。たとえ表現力が不十分だったとしても、合格する可能性が高いのです。なんだか夢のない話になってしまいましたが…。声優が狭き門といわれる理由の1つは、そもそもこの「容姿も声もいい」という人が多くないからです。
じゃあ結局容姿のいい人しか声優になれないのか?と言うと、そんなことはありません。「稼げるから容姿のいい人がいい」これは裏を返せば、稼げれば容姿は関係ないということです。事務所が欲しがるのは、売れる要素(タレント性)があることです。そしてそれは、先程ナレーション系事務所のオーディションの例を挙げたように「どれだけ自己プロデュースができるかどうか」なのです。
つまりは闇雲に頑張るのではなく、自分をよく分析して、どんなところを伸ばしていけば個性になるか・それをどのようにアピールするのが効率的なのか…声優業界で生き残るすべを自分で考えていかなくてはなりません。それこそが自己プロデュース力です。
容姿と声に恵まれた人に勝つためには、ただ頑張るだけでなく、そういった戦略的な要素が不可欠ということを知っておいてくださいね。ちなみに美男美女ということではなく、好印象を持たれるために外見を整えることもポイントの1つです。