声優養成所とは?
声優のお仕事の中には、アニメ・ゲームのアフレコや外国の映画の台詞の吹き替え、ドキュメンタリー番組のナレーション、ラジオドラマ、アナウンスなどいろいろありますが、どの現場でも声を使って情報を伝えるという点では同じです。まずはそのためのスキル、発声や発音、滑舌などを磨かなければなりません。
そして基礎を学んだ後にアフレコのしかたや演技力などを学んでいくわけですが、そういった訓練を受けるための場所が、声優養成所です。声優養成所には大きく分けて2種類、特定のプロダクションが経営する育成所と、いわゆる専門学校に近い声優養成学校があります。講師陣の顔ぶれや授業の進め方、レッスン期間や頻度などはそれぞれですが、この2つの最も大きな違いは、デビューするチャンスの幅ではないかと思います。
プロダクション系VS専門学校系!通うならどっち?
プロダクション経営の育成所は、経営母体である声優斡旋プロダクションに所属して仕事をする人材を育てることを目的としているため、プロになった後の仕事内容がそのプロダクションの方向性に沿ったものになります。そのため、所属している声優さんたちがどんな仕事をしているかを調査してから入所先を選ぶことをオススメします。
一方、声優養成学校は卒業後に特定のプロダクションに所属することが決まっているわけではありません。今は多くの養成学校がプロダクションや放送局などと提携し、在学中にインターンで現場を経験したり、オーディションを受けたりすることを可能にしているため、チャンスの数と可能性の幅は広いと言えるでしょう。
プロダクション系と専門学校系の養成所の違いやそれぞれの特徴については、声優養成所一覧にまとめてみましたので、こちらも参考にしてみてください。
私がおすすめする声優養成所一覧ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーってどんな学校?
業界密着型の専門校として名高いヒューマンアカデミーの声優学科は、在学中から企業タイアップ作品に出演するチャンスが豊富であるほか、毎年2ヶ月間に渡って行われる90社以上のプロダクションが参加するドラフトオーディションに希望者は全員出場することができます。また、「ドラゴンボール」の孫悟空、悟飯、悟天や、「ONE PIECE」のDR.くれは、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎などで有名な野沢雅子さんを始め、現役活躍中の声優によるセミナーが数多く受けられ、通常の授業の講師も全員現役の声優・俳優・タレント・ダンサーです。ナレーションやアフレコの技術に加えて、表現演習や演技指導、ヴォイストレーニングという基礎をしっかり学べるほか、オーディション対策に特化した授業もあり、つねにプロ声優への道が開かれています。全日2年制のコースと6ヶ月〜1年で事務所に所属することを目指す夜間・週末講座があります。
声優を育成する専門学校ならではの圧倒的オーディション数
ヒューマンアカデミーの魅力は、圧倒的なオーディション数です。
先ほどもお伝えしたように、声優の養成所は多くの場合、声優プロダクションなどが行っています。この場合、自分の入りたいプロダクションに養成員として入れるので、はじめから希望のプロダクションがある場合にはメリットです。
一方、ヒューマンアカデミーのような専門校とは、声優になるための技術を磨く訓練校のようなものです。プロダクション直結ではないので、しっかりと基礎から学びつつ、より多くのプロダクションを受けることが可能になります。
ヒューマンアカデミーでは、約2ヶ月間にわたり有名プロダクション担当者が審査員として来校されて開催するドラフトオーディションから、毎年多くの学生がデビューチャンスを手に入れています。他の養成所と比較すると料金は少し高いですが、その分多くのオーディシンチャンスが得られるので、自分の努力次第で夢の声優としてのデビューに近づくことができるのです。
ドラフトオーディションの魅力- 90社を超えるプロダクションが参加! 声優プロダクション、俳優・タレント系プロダクション、ナレーター系プロダクションなど、数多くの業界関係者が参加します。自分の目指す方向にあったプロダクションを探し、オーディションを受けることができます。
- 長期間かけて実施するからチャンスが豊富! ドラフトオーディションは、1月中旬から3月末までの2ヶ月以上をかけて開催されます。2、3日に1度はオーディションが行われているため、積極的にチャレンジすることができます。
- オーディションの参加資格は全員に! レベルの高い、学内選抜された人だけがオーディションを受けられるという仕組みではなく、希望者全員がオーディションにチャレンジすることができます。チャンスは皆に平等にあるので誰にでも夢を叶えるチャンスがあります!
ヒューマンアカデミーの特徴・強み
入学金 | 30万円 |
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年間授業料 | 92万円 |
施設設備費 | 25万円 |
教材費 | 17万円 |
その他 | 11万3千円 |
合計 | 175万3千円 |
ヒューマンアカデミーの口コミ・評判
代々木アニメーション
代々木アニメーションってどんな学校?
代々木アニメーション学院のエンタメ学部には声優タレント科・声優アニソン科・声優アイドル科という声優を目指す人のための3つのコースがあります。声優タレント科では、腹式呼吸から始めて感情を解放する方法、台本の読み方、マイクワークといった基礎を学んだ後、アニメのアフレコやナレーション、サウンドドラマを通じた実践的な授業が始まります。在学中からプロダクション所属オーディションや、アニメ・ゲームのアフレコ、イベント司会といった現場経験を積むチャンスが豊富です。2年間の全日制コースに加えて半年間の週1(水曜または土曜)コースがあり、そちらは半年単位で継続可能です。
代々木アニメーションの特徴・強み
入学金 | 20万円 |
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年間授業料 | 85万円 |
施設設備費 | 21万円 |
教材費 | 7万円 |
終身校友会費 | 2万円 |
合計 | 135万円 |
代々木アニメーションの口コミ・評判
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院ってどんな学校?
アミューズメントメディア総合学院の声優タレント学科には、全日2年制の本科と、半年ごとに実力判定オーディションが行われる夜間・日曜のみの専科があり、いずれもプロとしての声優を目指すことができます。アニメのアフレコ、外国映画の吹き替えだけでなく、シンガーやラジオパーソナリティ、ナレーション、舞台活動など多くの場で活躍できる能力をつけるカリキュラムで、講師は全員業界第一線で活躍中の現役声優・役者です。声優としての仕事が体験できるAMGインターンシップ制度を通じて在学中に声優デビューを果たす学生も多く、また初心者から始めても本科受講後にはプロダクションと直接契約を目指せる学生がほとんどです。
アミューズメントメディア総合学院の特徴・強み
入学金 | 10万円 |
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年間授業料 | 87万円 |
施設設備費 | 20万円 |
教材費 | 21万5千円 |
実習費 | 10万円 |
合計 | 148万5千円 |
アミューズメントメディア総合学院の口コミ・評判
日本ナレーション演技研究所
日本ナレーション演技研究所ってどんな学校?
声優・ナレーターの養成に特化した日本ナレーション演技研究所では、グループプロダクションによる強力なバックアップ体制のもと、力のある受講生は随時所内オーディションを経てプロダクション預かりになり、マネージメントの対象となってマスコミへの売り込みが開始されます。週1回クラスでは演技レッスン、週2回クラスでは演技とヴォーカルのレッスン、週3回クラスでは演技・ヴォーカル・ダンスのレッスンがそれぞれ1回3時間ずつ、全クラスとも年に1度の審査を経て基礎科→本科→研修科と進み、在籍期間は各科とも原則2年以内となっています。働きながら、学校に通いながら受講することが可能で社会人でも受講可能です。
日本ナレーション演技研究所の特徴・強み
入学金 | 10万円 |
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年間授業料 | 50万円 |
合計 | 60万円 |
日本ナレーション演技研究所の口コミ・評判
スクールデュオ
スクールデュオってどんな学校?
スクールデュオは、声優の斡旋を行う賢プロダクションに所属するための養成機関です。半年間の声優塾に通った後、発声や演技の基礎を学びながらアフレコ実習を行う基礎クラス、より豊富な種類のカリキュラムで深い表現力を身につけるレギュラークラス、実践に近いレッスンを通して実力をつけるアッパークラスという流れを経て賢プロダクション所属のチャンスを得ることができます。また、各クラス終了時に飛び級やプロダクション所属オーディションのチャンスがあります。アナウンサーや俳優、演出家、音響監督、ディレクターなど、現役活躍中の講師陣によるレッスンがいずれも週1回、期間はそれぞれ1年間です。
スクールデュオの特徴・強み
入学金 | 6万円 |
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年間授業料 | 24万円 |
合宿費 | 3万円 |
合計 | 33万円 |
スクールデュオの口コミ・評判
私がヒューマンアカデミーを「イチオシ」するワケ
様々な特徴を持った声優養成所がある中でヒューマンアカデミーの声優学科を取り上げた理由は、オーディション・進路指導・講師陣の3点が突出していると感じたからです。
在学中に仕事のオーディションを受けられるところは多数ありますが、ヒューマンアカデミーの特筆すべきところは、年間200以上のオーディションがあるということ、そして希望者全員が受けられるという点です。挑戦する機会を平等に、そして数多く得られるというのは諦めずに続けるための必須条件ですよね。
そしてオーディションに受かるため、ひいては業界就職するための進路指導が具体的で細かく、実践につながっているということ。業界が必要としているスキルの見せ方から、1人ひとりの個性に合わせたやり方までしっかり指導してもらえることで、身につけた力を確実に仕事へと結びつけることができます。ヒューマンアカデミーには、「コースを終業すれば声優になれますか?」なんて甘い考えの受講生はなく、とにかく声優になった後、どのように働いていくのか、どんな声優になっていくのかを見据えた指導がされていて、それに応えるように、在学生の意識が非常に高い点が他校との決定的な違いではないかと思います。例えばデビューして間もなくはヘアメイクなんかも自分でやることになりますからそういった授業もありますし、デビューできるかどうかではなく、デビューしてからのことを常に全員が考えているような環境に驚かされます。
最後に、ワークショップや通常授業の講師陣の豊富さです。自分が目標としている人に直接指導してもらうことは、その後の方向性やモチベーションに大きく関わってきます。他の専門学校や養成所では、例えば月に1回、現役の声優さんを講師にお招きして特別講義というとどこかスペシャル感がありますが、ヒューマンではそれが当たり前。常に最前線で仕事をする人たちの新しい感性、新しい情報に触れることができるのです。
ヒューマンアカデミーは「専門学校」ではなく「専門校」、つまり学校法人ではありません。高校を卒業し、学歴や安定を求める人にはとても悩ましいところかと思います。しかし、例えば別の大学に進学し、そこで演劇を学びながらヒューマンで夜間・週末コースを受講することもできます。社会人でも声優を目指せる道が用意されているのです。
中には、そういった中途半端な選択をするひとが、この厳しい業界でやっていけるはずがないという人もいるかも知れません。しかし、私は学びの工程はその人ぞれぞれ違って当たり前だと考えています。大切なのは学ぶ人本人がどれだけ本気で取り組めるかだと思うのです。